New Food Industry 2007年6月号

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New Food Industry 2007年 6月号

熟成による唐辛子の粗脂肪,遊離アミノ酸及び遊離糖の消長

一柳 康子、矢部 富雄、加藤 宏治、河本 芳幸、河本 敏明

著者らは前回本誌, 48(4), 17-20 (2006),熟成開始前と18ヶ月間熟成させた唐辛子の辛味成分の量的変化について検討した結果,熟成によってカプサイシノイドが約30%減少することを見出し,これが熟成唐辛子の「口当たりのよさ(まろやかさ)」の一因になっていると判断した。熟成唐辛子の「旨味」はこれだけで全てを説明することは出来ないので,唐辛子に含まれる各種の成分の経時的変化を検討し,最良の熟成期間を見出すことを目的にこの実験を行った。

韓国の機能性乳製品の現在と未来像

趙 鎭國、齋藤 忠夫

韓国では機能性乳製品の価値を増進させる方法として,乳成分の機能的性質の科学的解明や他の機能性素材の添加利用などがあり,その結果として多種多様な製品群が提供されている。本稿では,韓国で開発販売されている機能性乳製品を機能性牛乳及び機能性発酵乳,チーズ,粉乳,アイスクリームの製品別に分け,それらの現在と未来の展望について概説する。

食材学としてのジャガイモ

庄司 一郎

イモ類の代表格であるジャガイモ。日本にはジカトライモ(ジャカルタの旧名)から持ち込まれたのでジャガタライモの名がつき,ジャガイモとなったのが定説1)といわれている。
 アンデスの高地で生まれたジャガイモがヨーロッパに渡ったのは16世紀の初頭とのこと。スペイン,イタリアから北上していったジャガイモが,ヨーロッパの主要作物となったのは19世紀中頃のわずか100年前にすぎない。世界最大のジャガイモ生産国のロシアで栽培が増えたのはそれより遅く,ポテトチップスやフレンチフライを中心とする米国のジャガイモ産業が成立したのは極最近である。

アスベスト災害とリスクコミュニケーション −負の遺産から学ぶべき今後の課題−(前編)

三好 恵真子

2001年3月にとりまとめられた第2期科学技術基本計画1)において,国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化として,「ライフサイエンス」,「情報通信」,「ナノテクノロジー・材料」に並び,「環境」が重点分野の一つとして挙げられている。その具体的な内容は,地球温暖化対策,循環型社会を実現する技術とともに,「人の健康や生態系に有害な化学物質のリスクを極小化する技術及び評価・管理する技術」が掲げられ,化学物質等の環境汚染物質の総合管理に関わる技術開発が特に重要視されてきていることが分かる。

米の芽の放射線防護効果と抗がん作用に関する研究

具 然和

近年,がんやアトピー性皮膚炎など,様々な病気と免疫力の関わりに多くの医学・薬学関係者が注目しており,病気を治療する際は病巣に直接攻撃するだけでなく,体が本来持っている免疫力・抵抗力を高めることが重要だと言われている。また,そのための食料品や飲料品が現在は多く存在している。今回私たちは,その中でブラックジンガーという玄米加工品に注目した1,2)。

【特別寄稿】60才からのコラーゲン研究物語会社定年後の一つの生き方(2)

和田 正汎、青柳 康夫、長谷川 忠男

脊椎動物の全てがコラーゲンという成分を持っていることは既に説明した通りであるが、人はなかでも牛のコラーゲンとの関わりが最も深いようである。それは私達が摂取しているタンパク質の中で牛からのものが多いということから明らかである。すなわち食肉だけでなく牛乳、ヨーグルト、チーズ、スキムミルク、ゼラチン含有食品など、いろいろ食べ、また食べるだけではなくその副生物からつくられる皮革製品、写真用フィルムなどを多くの人達が利用している。

薬膳の知恵 (13)

荒 勝俊

中医学では,人間も自然の一部として捉え,自然と調和してバランスを保つことが健康を維持する上で重要と解いている。中医学発祥の地,中国や日本では四季(春,夏,長夏(日本における梅雨),秋,冬)がはっきりしており,色々な季節の移ろいと共に過ごすことができる。こうした四季の移ろいは「風(ふう)・寒(かん)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・火(か)」の6つの自然界の気(六気)によって形成される。そして,こうした“六気”が病気の原因(外因)になることを“六淫”と呼ぶ。“六淫”は体の外側から影響を与える邪気(外邪)で「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪」と呼ばれる。

伝える心・伝えられたもの:—塩田—

宮尾 茂雄

桜の蕾が膨らみ,日差しが柔らかく感じられる3月下旬,瀬戸内海に面する塩田跡を訪れた。私がまだ小学生だった昭和30年代,富山から大阪で山陽本線に乗り換えて,祖母が住む尾道に向かう汽車の車窓からは広大な塩田が見えていたことをおぼろげに記憶している。備前,讃岐などを含む瀬戸内十州には4000町歩の塩田が広がり,幕末期には塩需要の90%にあたる400万石から450万石の塩が製造されていた1)。しかし,昭和34年(1959)まで使われていた入浜式塩田はその後流下式塩田に変わり,さらに昭和47年(1972)までにはイオン交換膜を利用した製塩法に転換し,塩田はすっかり姿を消してしまった。現在,国内では6ヵ所の製塩工場でイオン交換膜法により塩が作られている。

中国食品通信 ◆コンニャク加工品の輸出が順調に推移

馬 桂 華

中国医薬保健食品輸出入協会によると,韓国は漢方薬や保健食品の主要な輸出市場であるが,消費量は日本,香港およびアメリカに続く,第4位にあることを報告している。また,2006年1〜10月の間に韓国へ輸出した漢方薬,保健食品の総額は7874万ドルで,以前よりも69.85%増加したと述べている。輸出品の内訳は,漢方薬原料と飲片(漢方薬原料を細かく切って煎じて飲める状態にしてあるもの)の輸出が4374万ドルで,以前よりも53.93%の増加,漢方薬原料からの抽出物の輸出が3078万ドルで,以前よりも80%増加したことを報告している。また,保健食品の輸出額は295万ドルで,以前よりも18倍の急激な増加であったとしている。