New Food Industry 2006年8月号

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New Food Industry 2006年 8月号

海藻抽出物の機能と応用

野原 哲夫、岡田 利孝、鈴木 治彦、早川あけみ、田沼 靖一

われわれは,北欧で食経験のある褐藻としてアスコフィラム(Ascophyllum nodosum)に着目して,メカブとの混合抽出物について,アポトーシス誘導を中心に研究を進めてきた。その結果,メカブやモズクなどの抽出物よりも,はるかに高いアポトーシスを誘導することを見出した。また,抗ガン作用と抗ピロリ菌作用についても報告する。

タヒボ茶抽出物の抗酸化作用と吸湿・保湿性

鈴木 郁功、下古谷 博司、山本 肇

南米に生育するタヒボ茶はほとんど知られていない。このタヒボ茶(学名:Tabebuia avellanedae Lorents and Griseb)は,南米のブラジルから北アルゼンチンにかけて生育するノウゼンカズラ科タベブイア属の植物であり,タヒボ茶のタヒボという名前は現地の言葉で「神からの授かりもの=恵み」を表す言葉に由来している。このように神秘的な名前を与えられたタヒボ茶は,南米インディオの間では昔から健康維持のために飲用されてきた。

米由来ギャバのヒト臨床試験による精神症状緩和作用および精神的疲労回復作用

白崎 友美、単 少傑

ギャバを富化した米胚芽を用い,更年期障害および初老期精神障害に対するヒト臨床試験および,マウスを用いた精神的疲労回復試験を行ったので,これを中心に,ギャバ富化米胚芽の機能性を紹介する。

代替医療としての松かさリグニン配糖体の機能性

坂上 宏

リグニン配糖体は,ビタミンCの細胞傷害活性を増強させるのみならず,ビタミンCの抗酸化作用をも増強させることが明らかになった。この性質は,他のポリフェノールであるタンニンやフラボノイド類では観察されず,大変ユニークなものである。リグニンは,天然界には無尽蔵に存在し,供給源としては事欠かない。

代替医療としての黒豆抽出物の機能性

亀井 千晃

本稿では黒豆もしくはその抽出物および関連化合物の薬理効果について記述するとともに,代替医療として各種の疾患に有用であるか否かについての知見を報告する。

放射線影響に対するプロポリスとアガリクスの防護効果

具 然和

放射線は,様々な領域で利用されている。その反面,放射線が人体に対して影響を与えることも明らかとされている。放射線による影響は直接作用(DNAの2重螺旋の切断)と間接作用(フリーラジカルの発生による細胞の損傷)がある。

統合医療におけるサプリメントの現状と問題点

蒲原 聖可

近年,サプリメント(栄養補助食品,いわゆる健康食品)を利用する消費者が増加し,その選び方や使い方についての適切な情報が必要とされている。一方,医療従事者の間では,情報不足のためにサプリメントに関する判断に混乱を生じている。そこで,サプリメントの現状と問題点を明らかにし,臨床的意義を検討する必要がある。

FDA食品行政の話 (1) ダイエタリーサプリメントと健康標榜

石居 昭夫

食品の安全行政は,どこの国も多くの重要な問題を抱えています。BSE(牛海綿状脳疾患)をめぐる日米間の安全基準の違いから起きた最近の牛肉輸入問題は,米国農務省の無神経さと日本の政治外交の未熟さが混ざり合ってより一層の混迷を深めました。

薬膳の知恵 (3)

荒 勝俊

私たちの体を構成する細胞は,生命活動を続けている間互いに影響しあいながら絶え間なく変化し続けており,細胞同士を切り離すことは不可能である。臓腑を構成するそれぞれの細胞もつながりあうことで全体がバランス良く調整され,恒常性が維持されている。 こうした細胞で構成された人体の活動を総合的に観察し,そのメカニズムの法則を体系化した学問が中医学である。